魔窟

東京には魔窟がある。
その名は三省堂書店という。
私にとって恐ろしい場所だ。


仕事である本が必要になり、その本は通常の本屋にはないので神保町にある三省堂に行くことにした。
職場から神保町まで駅二つ分くらい。
散歩も兼ねて歩くことにする。
既に暗い。



その本が置いてあったのが六階だか七階だかで、とにかくエスカレーターで上れる最上階にあった。
実に危険な位置にあったのだ。
本を購入し、下におりて行く。
実に危険な行為だ。
案の定、真っ直ぐ出口に向かえない。
しかし、私は昔の私ではない。
欲しい本があっても脊髄反射で買ったりしない。
書名をチェックして、家に帰り、本当に欲しかったらネットで購入するようにしている。
そうだ、私は買ったりしな……、


何じゃこれ!
「歴史手帳2005」
一見するとただのスケジュール帳なんですが、中に世界史重要年表とか、日本歴代天皇とか歴代将軍とか……歴代老中までありますよ、奥さん
これは買うしかないでしょう!!


駄目だ_| ̄|○
買ったりしないとか思った直後にこんなことを……。
もう帰ろう、そう思い一階に下りたら、


何じゃこれ!
「『龍臥亭幻想』サイン本」龍臥亭幻想 上 (カッパノベルス)
確かに竜臥亭買おうとしてたさ。
もう少し買いたい本たまったらbk1で買おうと思ってたさ。
サイン本とか言われたら買うでしょ、買うしかないでしょ。


いや、本当に怖い三省堂
手ぶらで帰ったことないよ三省堂
やはり魔窟でございますなあ。
発売日だった漫画含めて計6冊。
重い袋ぶらさげて、そびえる明治大学眺めましたとさ。