'07俺ベス 小説部門時代小説トップ5

集めて見ると分かるものですね。
私がどれだけ恋愛小説を読んでいないか。
エンタメ系の小説しか最早受け入れられない身体になってしまったのでしょうか。
来年は恋愛小説でも読んでみるか。
言っている傍から、「きっと読まないな」とか思ってるので読まないだろうけど。



5位 『天璋院篤姫 宮尾登美子

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)

今年の大河ですね。
読み始めた動機も大河が始まるからってのもありましたが、元々興味はあったんですよ、篤姫
名前は忘れたけどティーンズハートで篤姫取り扱った作品とか読んだり、菅野美穂のドラマ『大奥』も見たり、篤姫に触れる機会はありましたからね。
女性主役といえば惚れた腫れたがメインとなりますが、結局愛されなかったっていう篤姫の結末が寂しく、そうでなければここにランクインしてなかったかも。
通常だと実は幼なじみとできていて、無理矢理別れさせられ〜って展開になるんでしょうが、そうではなく一人で生き、一人で死んだっていうのが本当のところな気がします。



4位 『吉原手引草』 松井今朝子

吉原手引草

吉原手引草

元々遊郭が大好きなのですが、今年は遊郭ものに触れる機会が多かったですね。
この作品は物語というより、遊郭に関わる人々の色々な職業、作法などどちらかというと雑学的なものも面白かったですね。
とはいえ、『Q.E.D』シリーズのようにタタルの出てくる場面はどうでもいい状態にはならず、きちんと雑学以外の物語本編も面白かった。
ミステリ調でしたしね。
個人的にはインタビュー形式で輪郭を描いていく手法は大好物なのですんなり読めました。



3位 『花宵道中 宮木あや子

花宵道中

花宵道中

近年の遊郭もので一番良かった!
R30賞(うろ覚え)かなんかを受賞した作品なのでそりゃあもうエロいのですが、エロスの中にある悲しみをしっかり描いていました。
遊郭ものはそうでなきゃ。
惚れるも地獄惚れられるも地獄の世界そのものでした。
短編集だけど、一つ一つの話がリンクしてるっていうのも好きだし。
少女漫画が好きな女性は好きじゃないかな、この作品。



2位 『前巷説百物語 京極夏彦

前巷説百物語 (怪BOOKS)

前巷説百物語 (怪BOOKS)

最近は京極堂シリーズより巷説シリーズの方が筆がのってる気がするなあ。
友人Sさんが巷説だけ書いてろ的暴言を吐いておりましたが、『邪魅』の出来とか見る限りそれも然りだなあ。
私としてはヤング又市が見れただけで幸せです。
アダルト又さんの飄々とした感じも良いですが、ヤング又さんの爪の甘さも素敵でした。
時系列としてはこの後伊右衛門さんに出会い、アダルト又さんが完成するのですかね。
ちなみに友人Oさんに貸したとき、読後の台詞が「おぎんさん、子供かいっ!」ってのが忘れられません。
そりゃあ、そうですよ。



1位 『憑神 浅田次郎

憑神 (新潮文庫)

憑神 (新潮文庫)

浅田次郎は卑怯です。今年も私を涙の渦に突き落としました。
もう、本作のラストでは涙だらけでゲーゲー。
もう釜次郎が出てきた時点で予感はしてたんですよ。
あんなラストあんまりだ。
私の武士好き心を思い切り揺さぶりおった。
憎い憎い、憎いけれど愛しい浅田次郎め。
これを読んだ直後は、「もう浅田次郎と聞いただけで泣ける」とか言っていたのですがねえ。
京極先生の次にメディアに出てはいけない人になりましたよ、映画の所為で。
映画のラストに出演することは断れよなーー!!